「君に響く空の音」(篠岡遼佳) ~長い設定説明~

こんにちは、篠岡です。

本を手にとっていただいたみなさま、先日はどうもありがとうございました。

 

しかしここで問題が。

 

実は、表紙にも、目次にも、中表紙にも、

「『君に響く~』と『空色カフェ』のどちらを、朝凪と篠岡のどっちが書いたのか、書いてない」のです。

そんなわけで、書いた人物が書いた内容をやや解説して、長いひとりしゃべりを書いてみたいと思います!

これで検索に引っかかったらいいなあ~……。

 

ということで、「君に響く空の音」を書いた、篠岡遼佳です。

ちょこちょこと、設定について書いていこうと思います。

 

・書きたかったことは……:

「ひねてる女の子がバカ正直のせいで素直に幸せになりたいと思うようになる」というところでした。

ですので、世界設定などはできる限りゆるく、あくまでアクションも差し色になる程度に……と思って書きました。

……もちろん、自分が書き切れないから、心情重視にしたということでもあります……。

ほしい、筆力……!

 

・『扉』設定:

現代ファンタジー、エブリデイマジックが好きな私は、常々「なぜその世界は魔法が使えるのか」と考えています。

その中でも、いちばん新しい設定が『扉』設定です(とはいえ、思いついたのはもう10年近く前ですが)

「世界と世界が『扉』で繋がった場合、その周りは「世界法則の揺らぎ」があるのではないか」

「それを上手く利用するのが魔法ということでどうだろう」

というのが、『扉』設定の基本です。

そこから、「世界によって『扉』の存在の仕方や、扱われ方が違う」ということになりました。

そんなわけで、今回の世界では

「『扉』は遙か昔から存在し、ちょくちょく出たり消えたりして、人々の生活にとけこんでいる」

という、いちばん楽な設定にしました。

いちおう、「書きたかったこと」にあんまり深くこの設定が入り込んでしまうと、長々と『扉』について書かなければならないので、

それは避けたかったのです……。

とはいえ、味付けとして「アルバイトで「揺らぎ」から生まれるヒズラギを捕まえる」ということになったので、

「どんな風に『扉』やその影響が社会に組み込まれているか」を考えることになり、

今回の設定となったわけですが……。違和感がないといいな……(どうかな)

 

・登場人物たち:

最初に思いついたのは、もちろんヒロインでした。

銀髪をなびかせて、白セーラー服と紺のスカートを翻し、戦う少女!

ヤッター制服キター! みたいな感じでビジュアルが決まりました。

僕は巨乳派なのですが、めずらしくこの子はスレンダーです。華奢な子が書きたかったのです……!

そして名前は、昔考えていたものからとりました。

神々の先触れという意味の「御先」、ほんとうの願いごとで「真望」です。

ちょっとかわいそうですが、話の都合上、

多少自分を追い詰めすぎてどうかしてて、でも笑顔ですべてを隠す、という設定になりました。

そんな彼女のためにできたのが、次です。

 

はい、バカ正直ことストレートしか投げられない、東雲朗くんです。

別に家事のできる男にするつもりはなかったんです。

というか、普通に普通の、平々凡々という言葉の似合う黒髪の男子ということしか決めてませんでした。

どちらかというと、ユウカがぼけたおすので、つっこみを入れていくことによってキャラが確立していった感じです。

「そういえばフード理論ってあったなー」程度の気持ちで肉じゃがを作らせていたときは、

まさか、ドラゴンに捧げちゃうサンドイッチを作るとは思っていませんでした。

(そうそう、肉じゃが作ってるときなんですけど、すっかり匂いについての描写を忘れていました……)

書けば書くほど、ユウカとの組み合わせが楽しかったサエでした。

 

さて、そんな佐々河悠佳くんです。改めて見ると、名前の字面がかわいいですね。

彼も、私の趣味が全開でビジュアライズされています。

無表情、長身、長い手足、イケメン!

(無表情キャラ好きすぎるので、時々描写入れ忘れてますが……)

こいつはわかっててぼけたおすタイプだな、と直感で決まったので、サエはたぶんちいさい頃からずっとつっこみです。

出不精なので、いろんなところに連れて行ってくれるサエに感謝している設定。

実は運動が苦手だというのを書きそびれましたが、天才なのでいろんなことができます。

ただし、「自分よりも本当本物の天才がいる」「自分は多少記憶力がいい程度」と自覚しているような、

落ち着いた性格です。(もちろん普通から見れば十分天才)

ただし、大変に趣味がオタクで、深夜ラジオも大好きだったりする、普通の高校生っぽいところもあります。

波長の合う人とはすぐに仲良くなるので、スイ姉ちゃんと一緒になってサエをいじったりもします。

 

そんなスイ姉ちゃんこと、東雲慧さんですが、いやー、いろいろ申し訳なかった。

全然ビジュアルを描写できませんでした。

実際は、おっぱい大きめで、背が高くて、ロングウエーブの茶髪です。そうだったのです。

「二種大型」免許を持っているので、いろんなところでフォローに回ってくれたりもしたのでしょうが……。

そのエピソードを挟む場所もカットせざるを得ないくらい時間がなく……。ほんとごめん!

でも、らいな先生となかよしなので、何とか出番は確保できました。よかった。

 

日暮里らいな先生は、ほんとに書きやすかったです。

強いので何でもできるから、いろんな制約を考えなくて良かったのです……。

傍若無人で、口調が荒く、赤髪青い目、背が低くて白衣にスーツ、とわかりやすい設定だったことも幸いしたと思います。

もっと出したかったな……。アクションシーンに出てきてくれたときは、個人的にすごくやりやすくてうれしかったです。

 

合唱部の変態部長さんは、なんというか、日常パート書きたくて出してしまいました。

実際出す理由はどこにもなかったのですが、

――どうしても日常が書きたかったんだ……! 許してやってくれ……!

彼女に名前はありませんが、彼女のやっていることは半分くらい実話です。

 

笑う黒竜・ヴィークロトさんですが、この人も出す予定はなかった……!

まさかね、『扉』開いたらドラゴン出るとは思ってなかった。ほんとに。

なんでドラゴンが出てこれたの? とか、いままで同じように『扉』を開こうとした人はいないの? とか、

凜ちゃんに言われたのですが……。

……ごめん、あんまり考えてない……(だめすぎる!)

一応、

「あの場には既に十分量の「揺らぎ」があって、さらにそこへマナミが「揺らぎ」を増やしたから、『扉』をこじ開けることができた」

とか、

「この世界の『扉』には、ヴィークロトさんが守護者(監視)として存在していて、ある一定の条件が揃うと出てきてくれる」

とか、あるんですが、どっちも全然書けてない!

ほんと……急にプロット崩しちゃダメだなって……ほんとに思います。

 

・ボーイミーツガール:

……なんて、絶対に書けないと思っていたけど、まあ、一月で書くことはできました。書くことは。

上記の通り、完璧に書けているわけではまったくありませんが……。

でも、勉強はほんとにたくさんしました。

いろんな種類のラブストーリーを買ったり借りたりして読み、気になる場所にはぺたぺた付箋を貼り付け、

しかし、わかったことは「やっぱハッピーエンドが最高!」ということでした。

ですので、この、サエとマナミの出会いとその結果が、幸せなのだと伝わってほしいと、

それだけは力を入れて、ぶれない! ように書いた……つもりです。

彼女がなかなか頑固で納得してくれなくて困ったのですが、

一人きりだった生活から、ひとりじゃないことを選べるかどうか、

さらに、絶対に嘘でしかない約束を信じていけるかどうか、

というのがポイントでした。

ずっとそばにいる、なんて、嘘なのだということがわかっている彼女でも、

あのバカ正直には勝てなかった……のかな?

まあ、お付き合いはこれからですからね。今後もサエにがんばっていただきましょう。

お付き合いなので、マナミもがんばってくれな。

 

・まとめ:

ということで、長々とひとり語りをしてしまいましたが、こんなところです。

裏表設定大好き人間なので、完結しない設定はたくさん持ってます。

そんななか、こうして完結させた作品の設定を、いっぱいしゃべれるのってやっぱり気分がいいですね。

もっとたくさんお話を書き上げたいという気持ちになります。

冬コミがんばるぞー!

ここまで読んでいただき、ありがとうございました!!

感想などいただけると、泣きながら小躍りします……!

 

・おまけ:

……なんて言っていますが、実はこのお話は、第一章のタイトル「Meet “the fantasy”.」の通り、

とある超有名バンドの久しぶりのアルバム、限定版の方の第一曲目がなければできなかったとも言えます。

『「僕らは愛し合い 幸せを分かち合い

歪で大きな隔たりも越えて行ける」

たとえばそんな願いを 誓いを 皮肉を

道連れに さぁ旅立とう』

という、力のある歌詞があったからこそ、それを信じることを書いてみたいと思えたのだと思います。

うーん、やっぱり歌ってすごい! 歌詞を考えて歌う声は、すごい!

(……章タイトルや小見出しなど、すべてなんらかの曲に関連してるのは、こういう理由だったりします……)

 

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